最後から二番目の真実

主にミステリの感想

推理小説と青春小説

突然ですが、推理小説と青春小説は相性がいいと思うんですよ。
たとえば有栖川有栖の「月光ゲーム」や島田荘司の「異邦の騎士」なんかは青春している感じが伝わってきて少しテンションが下がるぐらい。(『耳をすませば』もテンション下がるしね)



何で相性がいいのかを考えてくと、死人が出てくるからじゃないのかな。
主人公が若いと、死に対して免疫が少ないので大きく心が揺れます。結果、読者に対して心の共振が起きるのではないのかな、と思うわけです。

また、「死」という大きなモノがのしかかっていた状態から、解決を迎えてさっと青空が見える、その落差が開放感を生んで青春の清清しさを作り出しているようにおもえます。

さらに言えば、例え大団円を迎えようとも話の前後では決定的に違う、以前とは絶対的に違う状況になっています。変化の理由はもちろん「死」です。この決定的な変化は、青春の苦さ、子供から大人への決定的な変化になりえます。



つまり、推理小説で多用される「死」、それも推理小説になりうるほどの特権的な死が、主人公(あるいは登場人物)の変化を促す結果、青春小説としても機能するのだと思います。