最後から二番目の真実

主にミステリの感想

蛍 (GENTOSHA NOVELS―幻冬舎推理叢書)蛍 (GENTOSHA NOVELS―幻冬舎推理叢書)
(2006/01)
麻耶 雄嵩

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 嵐で閉ざされた山荘、大学生サークル、潜んでいるかもしれない殺人鬼、もうげんなりする程のこてこてさ。麻耶雄嵩もダメになったのか、と落胆したくなるところですが、少し待ってください。麻耶ですよ。異常なミステリを書いてきた麻耶が普通のミステリを書くわけがない。とんでもないトリックを仕掛けてあります。

一つは見え見えです。が、まさかこんな見せ方をしてくるトリックがもう一段あるとは。これはまったく新しい見せ方です。このトリックを焼き増しするだけでミステリはあと十年は戦えます。それほどのものです。

そして打ちのめされてるところにラストのカタストロフィ。もうノックアウトです。おそらくはあの人が残ったのでしょう。もうどこまでも救いがない。麻耶節です。

「蛍」はミステリを読んできた人がより驚愕するミステリです。逆にミステリを読まない人は気づきもしないかもしれません。「鴉」のように。