最後から二番目の真実

主にミステリの感想

銀輪の覇者(上)


第2次世界大戦を目前に控えた昭和9年、本州横断自転車レースが開催される。それぞれの思惑や信条を持った選手たちの群像劇。

自分はあまり冒険小説を読まないのですが、これは読んでみたかった本です。今回文庫化されたので読み始めましたが、結構丁寧な描写でいい意味で予想を裏切られました。もっと勢いで読ませるものだとばかり思っていたので。

話はフランス帰りの響木を中心に語られますが、一つ一つのエピソードを丁寧に映画的な語りで書いています。そのため場面場面の描写が絵で想像できるのは非常に読みやすいです。が、自転車レースの持つスピード感があまり出ていないのが少々残念です。

上巻では、起承まで語られ、何か起きそうな転を感じさせながら終わります。