最後から二番目の真実

主にミステリの感想

女王国の城

女王国の城 (創元クライム・クラブ)女王国の城 (創元クライム・クラブ)
(2007/09)
有栖川 有栖

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学生シリーズ第4作。前作の「双頭の悪魔」から16年弱たって待望の刊行です。

結論から言うと「暗黒館の殺人」の悪夢は実現しませんでした。ただ、本格味では「生首に聞いてみろ」まではいかなかった。犯人特定のロジックはそれほどアクロバティックではないもののきっちりとしています。気になるのは11年前の事件と協会ができるまでの時間差。その間は比較的洞窟への注意も薄かったのでは?早い話が古株の信者も一枚かむことができたのでは?と思うのですが、どうなんだろう


それよりも嬉しかったのが、青春小説としての面白さが失われていなかったこと。信長さんのバイクでの大脱走はかっこよかった。お笑い要因のはずなのに。きめ台詞はおばさん臭いが名古屋弁自体おばさん臭いから仕方ないか。


気になっていた精神的クローズドサークルは「協会関係者にとっての」クローズドサークルであまり前面には出てこなかったのが残念。面白いアイディアなので短編あたりで再利用してほしい。なるほどこういうのもありだな、と感心しました。説得力のあるクローズドサークルでした。

いやぁ待ってよかった、というのが読了後の今の感想です。次の5作目で完結する予定らしいですが遅くなるようなら短編集出してください。読みたいものがあるので。お願いします。