最後から二番目の真実

主にミステリの感想

死の内幕―天藤真推理小説全集〈3〉

死の内幕―天藤真推理小説全集〈3〉 (創元推理文庫)死の内幕―天藤真推理小説全集〈3〉 (創元推理文庫)
(1995/03)
天藤 真

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柏木啓子を中心にしたIGグループの面々――内縁関係を続ける女性たちの集まり――は、メンバーの小田まり子から「長く付き合っていた愛人に結婚するので別れて欲しいといわれ、思わず突き飛ばしたところ、過って相手を殺してしまった」旨を告白される。啓子の内縁の夫松生の入れ知恵もあって、架空の犯人をでっち上げたのだが……!?

天藤真氏の作品らしいユーモアと巧みな設定で読ませる作品。主人公の啓子ら殺人をカモフラージュする面々以外に、でっちあげた犯人と同じ顔のために迷惑を被った矢尾のグループ、被害者の婚約者たちのグループ。3つのグループが独自に動いてひっちゃかめっちゃかになっていく様子が面白い。次々に事態が動きそれぞれがなんとかしようとするところもユーモアが有って面白い。

ただ普段の天藤作品と違うのはラストのシリアスさ。ふっと悲しさが残るラストです。こんな作品もかいていたのですね。

ところでこの作品は今から40年ほど前の作品なのですが、現代から見ても先進性のある設定(内縁の妻やその関係を清算する時の処遇など)でやはり時代を乗り切っている作品にはいつ読んでも光る宝石のような部分があるのですね