最後から二番目の真実

主にミステリの感想

「孤島の洋館もの」っていう題材は 何十年も昔に閉ざされて

781 名前: 744 [sage] 投稿日: 2008/08/20(水) 16:47:24 id:VtEd8cTg

ファウストvol.7に載ってあるインタビュー引用まとめ。

それぞれ時期の違う時に行われたものを収録した三本立て。

ファウストが刊行延期を繰り返していたのでそうなったらしい。

トータル字数が約50000字と糞長いので、とりあえず第一弾のところ。

第二弾・第三弾は明日以降にでもうpするつもり。

自分が大して重要じゃないと思ったところ(どうでもいい雑談的な部分とか)は独断と偏見でカットした。

ネタばれ配慮は一切してない。多少の誤字脱字はあるはずだが勘弁。

文章の区切りは自分の恣意的なもの。

どうでもいいことかもしれないが、このインタビューの聞き手も相当やばいんじゃないかと思った。



782 名前: 744 ◆fpKcJ.n/fQ [sage] 投稿日: 2008/08/20(水) 16:55:59 id:VtEd8cTg

(2007 8/9収録。うみねこ発売前)

(P649下段〜651上段)

――あのムービー、カッコよかったですね。効果的でしたよ。


竜騎士07(以下竜):ありがとうございます。

あのムービーの意図は最初に徹底的に洋風なところを見せることによって、

前作の「ひぐらし」の和風の世界からは色眼鏡を外してご覧になってください、

というのがあるんですよ。私は「うみねこ」では古き良き時代の典型的な古典ミステリーに

取り組んでみたかったんです。たとえきちんと読んでみたということがなくても、

誰もが「アガサ・クリスティーが孤島の洋館物の傑作を書いた」ということは知っている訳ですよね。

そういった誰もが知っている王道に対するオマージュというかリスペクトというか・・・・・・

一度はくすぐったいくらいの王道をやってみたいっていう思いがあったんです。

それに今、そういった方向性の作品は案外ないなと思って――EP1は徹頭徹尾に王道で。

EP2からはそれを一気に崩しにいきたいんですけど。


――EP1はまさにミステリーの超王道でしたね。


今の時代において、僕はすごいチャレンジだなと思っています。

もともと僕は講談社ノベルス出身の編集者でミステリー畑の編集者なわけですが、

残念ながら最近はミステリーというジャンルの放っているパワーがとみに落ちてきているのを

肌で感じています。全盛期はやっぱり五、六年前くらい。

とくに王道のものはいまはめったに書かれないし、

若い読者はその存在じたいを知らなかったりするんですよね、みんな。

竜:今の主流のミステリーの方向は仕掛けをどんどん捻って捻って・・・・・・

っていうほうにばかり進んでいますからね。かつて誰もが期待した「孤島の洋館もの」っていう題材は

何十年も昔に閉ざされて以来、全く書かれてない時代だと思うんです。


――あ、小説の世界では決してそういうことではないんですよ。


日本では九〇年前後を中心に「新本格ミステリ」という古典回帰のムーヴメントがあって、

綾辻行人さんや有栖川有栖さんは初期に「孤島の洋館もの」を書かれていました。

綾辻さんには他ならね「館シリーズ」がありますしね。いや、ここが竜騎士さんのすごいところなんですよ。

あれだけのものを書いているんですから普通は読んでいるはずなんですよ。

傑作を読まずに傑作を書けてしまっているところがすごい!


竜:勉強不足ですみません。


ただ、今のサウンドノベルというジャンルそのものが捻ったミステリーかファンタジーしかないような世界に

なってしまっているのは確かなことで、私自身の「ひぐらし」もミステリーの中ではかなり異端な部類の話だった。

だから「うみねこ」では『弟切草』や『かまいたちの夜』の時代に戻りたかったんです。

いわゆるサウンドノベルの原点ですね。

小説としては今ご指摘いただいたように既に出ているジャンルではありますけれども、

サウンドノベルとしては原点回帰だと考えています。


――我孫子武丸さんの『かまいたちの夜』は典型的な雪山山荘もので、

ミステリーの王道中の王道、まさに原点でした。


竜:「うみねこ」の設定はいわゆるクローズド・サークルですから、

外部と隔絶されている場所で事件が起こるというところは『かまいたちの夜』そっくりですね。



783 名前: 744 ◆fpKcJ.n/fQ [sage] 投稿日: 2008/08/20(水) 16:59:22 id:VtEd8cTg

(P655上段〜656上段)

竜:『ファウスト Vol.5』での奈須きのこさんとの対談でも言ったことだと思うんですけど、

「ひぐらし」で事件を起こしているのは人側か祟り側かという問題では、

私は祟り側にプレイヤーを引き込むことに失敗したんです。

「ひぐらし」ではプレイヤーは早々に人側が犯人だと決め込んでしまうわけです。

だからこそ「皆殺し編」羽入が登場した際に「誰だよ、こいつ!」って批判があったわけですが。

それもあって、「うみねこ」ではいきなり番外となる。

ティー・パーティ「ひぐらし」のオヤシロさまにあたる存在――魔女が堂々と出てきちゃうわけです。

あれで、事件を起こしているのは人間説のプレイヤーを奈落の底に突き落としてみたかったんですね。


――あそこは痺れますよね。立ち絵のグラフィック付きで魔女が出てくる。

「ここまでやるか!」とあれにはびっくりでした。


竜:今回の「うみねこ」には「事件を起こしているのは人側か魔女側か?」という大枠があって、

「これはミステリーだから当然、人間だ」と最初は思わせておいて、

「しかし魔女がいるならこれはファンタジーなんじゃないのか?」と後で迷うように、かなり凶悪に仕上げてみました(笑)

(中略)


――ノっていますね。いい作品の背後には必ずいい偶然がある。


「うみねこ」EP1にして既に完成された領域に突入しているし、ひとつの型を作っているので、

竜騎士さんがEP2、EP3でこの形をどう崩していくのか楽しみです。

竜:EP2では一気にファンタジーの世界に行きます。

EP1のティー・パーティーで魔女の姿が実際に出てきても「どうせ人側の犯罪だろ」って

九割九分のプレイヤーは高をくくっているんじゃないですか? 

だから次で、もうどうしようもないくらい魔女側説に話を持っていって、

人側説のプレイヤーを徹底的に屈服させていくつもりで頑張りますよ(笑)。



784 名前: 744 ◆fpKcJ.n/fQ [sage] 投稿日: 2008/08/20(水) 17:03:12 id:VtEd8cTg

(P656中段〜658中段)

――さきほど閉鎖社会から閉鎖空間へって話をさせていただいたんですけれど、

これはミステリー史でいうとまさに横溝から乱歩への先祖返りになっているんです。


竜:江戸川乱歩の世界観――クローズド・サークル、隠し扉、変装・・・・・・

素人の作家がやったらそれは凄く恥ずかしいことなんですけど、

江戸川乱歩がそれをやると一流のエンターテインメントになる。

乱歩さんの作品は今回、非常に意識しました。

小学校の頃から「怪人二十面相シリーズ」を軒並み読んでいて、とても大好きでしたし。

図書室で次々読んでいたんですけど、少年探偵団ものって挿絵がすごく怖いんですよね。

昔の油絵っぽい絵が入っていて。


――ああ、ちょっとしたトラウマですよね。


竜:そのせいもあってね、あのシリーズはすごい猟奇的な本に見えたんですよ(笑)


――いや、実際に猟奇的なんですけどね(笑)。

子供が読むにしては毒がありすぎるんですよ。

なんにせよ、今ミステリーが、そのなかでも本格ミステリという領域が衰退してきているのって、

僕が思うに皆がこういうことをいったからだと思うんですよ。

「これは本格じゃない」、「これはミステリーじゃない」って。


竜:歌舞伎や相撲と同じで、伝統になっていくのと引き換えに何か大切な物が失われる。

私みたいな若輩が言うべきことじゃないんですけどね、

ミステリーはもっとエンターテインメントであるべきなんですよ。

乱歩さんの時代は、そうだったと思いますよ。


――同感です。ミステリーはもっと自由なものであるべきなんでしょう。

「これは本格じゃない」「これはミステリーじゃない」って言葉を口に出した瞬間に、

思考停止に陥っちゃうんですよね。そういいたくなる気持ちは分かるんだけど、

論理を愛するミステリー者ならば、論理ゼロのその言葉を口にしてはいけないんじゃないかな。


竜:しかし、そういいたくなる人の気持ちも一面では分かります。

とくに最近では本格と変格の狭間にある、紙一重を突いている作品が多いじゃないですか。

本格っていうのも、だからある意味様式美なのかしら。


――そう、本格はやっぱり様式美という側面があるでしょう。

しかしだからといってそうじゃないものをどんどん排斥していったら、それは非常に窮屈なものになってしまう。


竜:そうですね。私の考える本格ミステリはその根っこにパズル的な面白さのあるものなので、

本来エンターテインメントとの相性は悪いものなんですよ。本格色を出せば出すほど、

リアリティのある説得力を生み出すのが非常に難しくなってくるわけです。

それでもコナン・ドイルの『まだらの紐』を読んだとき、読者は素直に納得してしまいますよね。


――蛇が出てきてもね。


竜:「紐に間違う蛇やら、噛まれて即死する蛇なんかそうそういないだろ!」

って突っこみどころはおおいにあるんだけど。


――そもそも何故、蛇が夜な夜な牛乳を飲みにくるのか(笑)?


竜:ははは、でも、最初に読んだときには「ああ、そうなんだ!」としか思わなかったわけでしょう。

案外、本格っていうのは論理の隙をつきつつ読むもんじゃないんじゃないかなっていう気もしますね。


――僕が大好きなミステリー評論家の巽昌章さんは「うわ、俺、こんな面白いこと思いついちゃったよ!」

っていうのを開けっぴろげにみんなの前で言いたくなってやっちゃう、

そういう茶目っ気みたいなものがミステリーの歴史を一面では駆動させているんじゃないかとおっしゃっていて、

僕はそれを非常に正しい意見だと思うんです。


竜:世の中は、得てして謎だらけなんですよ。



785 名前: 744 ◆fpKcJ.n/fQ [sage] 投稿日: 2008/08/20(水) 17:04:42 id:VtEd8cTg

(P658下段〜P659中段)

竜:「ひぐらし」に取り組んでいる間私はずっと、「これは本格か否か」っていう議論を見てきたんです。

いくら『ひぐらしのなくころに』をホラータッチのミステリー風に作ってあるとはいえ、

「本格か否か」というのは、私が事前に想定した論争ではないんです。

しかしそれが結果的にはすごく盛り上がった。だからこそ逆に、次回作では

この熱心に論争している人たちをターゲットにしてみよう、この人たちにこそ楽しんでもらいたいな、

と思ったんですよ。「うみねこ」は「本格か変格か」の戦いなんです。


――竜騎士さんは、今、とても重要なことを仰いました。


「ひぐらし」という作品は「本格か否か」という問題提起を本格側の人間から受けたわけです。

しかし「うみねこ」は、変格側の人間から「本格か否か」、すなわち「本格か変格か」、

もっと言うならば「本格とはなにか」という問いを投げかける意識的なアプローチの作品な訳ですね。



竜:そうですね。



786 名前: 744 ◆fpKcJ.n/fQ [sage] 投稿日: 2008/08/20(水) 17:06:19 id:VtEd8cTg

(P664下段〜665中段)

竜:新作をきっちり夏、冬2回のコミックマーケットで出す、という半年に1回の発表速度を

創作の現場に生かそうと思ったら、先に書いたものの評判を聞いて、新作を書く、

というやり方があっても良いと思うんですね。これをいっていいのかどうかはわからないですけど、

今、一番私がやりたいのはネット上でみんなが何が「うみねこ」の正解だと思っているのかについての

最大多数意見を抽出して、それを次の話で否定したいんですよ。


――おおー、なるほどなるほど!


竜騎士:「貴様らの推理はこれで崩れた!」ということを毎回示すんです。

だから今、07th Expansionのさいとで人気投票と同じように真相投票の開催を考えています。

真相を三行くらいで書いていただいて、上位トップ3の推理を次の話で打ち砕く。


――あなたは真里亞派か、戦人派か、みたいな。


竜:そうですね。しかし、ほとんどの人間は魔女が犯人だなんて簡単には認められないでしょうからね。

でも、次回作以降ではそれを魔女があざ笑うかのように定義を封鎖していく。

たとえば・・・・・・今回のEP1の事件では顔面をつぶされた死体が非常に多いんですよ。

だからぶっっちゃけて言うと、それは死体の入れ替わりトリックの王道でもあるじゃないですか。

そこを疑ってくれる人が絶対多いはずなんです。だとしたら、

EP2ではすごくフレッシュな死体を出しておいて、入れ替わり不可能な、

完全に被害者が特定できる死体を出す・・・・・・ま、これは単なる一例ですけど。

こんな感じでプレイヤーが期待している答えを次々と潰していく。

彼らが犯人だと思っている人物を最初に殺して見せたりとか。



787 名前: 744 ◆fpKcJ.n/fQ [sage] 投稿日: 2008/08/20(水) 17:10:00 id:VtEd8cTg

とりあえず最初の投下ははここまで。

長文投下なんて初めてやったから、読みにくかったら済まない。

インタブの時期が一年前と古いために、多少新鮮みがないけれど、

第二弾第三弾はすこしは最近の話です



788 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2008/08/20(水) 17:22:52 id:ZAMaUmhI

乙です

これはwktkしたかいがあったww



789 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/08/20(水) 18:14:18 ID:4U1SxGXX

ジャンル詐欺して火病起こす。絶対に自分の非は認めない。

わけわからん勝利宣言。やっぱ竜騎士はチョンか。



790 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/08/20(水) 18:22:58 id:fMX7geCK

ミステリは自由であるべき、だからひぐらしも本格ですってイミフ過ぎる…ミステリにゃ、ホラーやサスペンスとか色々あんのに、何でここまで本格に拘るんだ?とりあえず、本格でないもん書いといて、本格と認めてよって、こいつ大丈夫か?



791 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/08/20(水) 18:25:42 id:ivNZTRiG

魔女か人間かプレイヤーを惑わせる方法が実際に魔法バトルを描写

それを幻覚だの魔女側の主張に過ぎないだので済まして

「プレイヤーを惑わせました」って気は確かなのか?



792 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/08/20(水) 18:26:49 id:pqri8Osj

とりあえず、いつでも後出しじゃんけんをする気でいることはわかった。



793 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/08/20(水) 18:38:43 ID:/8e7t7oh

だから厨騎士はパス付きRARで

オチとある程度の筋書き書いたテキスト配れよ。

でうみねこが完結したらパスを晒すって方式でよ。

これならフェアだろ。



794 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/08/20(水) 19:00:33 id:veB/d5Sv

インタビュアーもヤバいというか、むしろ無理矢理に持ち上げてる感が。

いや、ここが竜騎士さんのすごいところなんですよ。

あれだけのものを書いているんですから普通は読んでいるはずなんですよ。

傑作を読まずに傑作を書けてしまっているところがすごい!

この辺とかもはやギャグだろw



795 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/08/20(水) 19:06:42 id:n7cM1XHd

竜:今の主流のミステリーの方向は仕掛けをどんどん捻って捻って・・・・・・

っていうほうにばかり進んでいますからね。かつて誰もが期待した「孤島の洋館もの」っていう題材は

何十年も昔に閉ざされて以来、全く書かれてない時代だと思うんです。

――あ、小説の世界では決してそういうことではないんですよ。

日本では九〇年前後を中心に「新本格ミステリ」という古典回帰のムーヴメントがあって、

綾辻行人さんや有栖川有栖さんは初期に「孤島の洋館もの」を書かれていました。

綾辻さんには他ならね「館シリーズ」がありますしね。いや、ここが竜騎士さんのすごいところなんですよ。

あれだけのものを書いているんですから普通は読んでいるはずなんですよ。

傑作を読まずに傑作を書けてしまっているところがすごい!


アホスギルw



796 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/08/20(水) 19:16:42 id:gnrdXZ4T

竜騎士は、叩かれると自分の非を認めるんじゃなくて、

叩いた文章のわずかな欠点を後から探す、

もしくは、屁理屈で反論するような人間なんだなぁ。

ネットで犯罪犯した後、何で自分だけ捕まるんだ、

他の奴もやってるじゃないかと、自分の罪をすり替える馬鹿に似てる。

もうこいつは一生この性格直らないんじゃない?

いつまでも論点のすり替えで逃げると思うよ。



797 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2008/08/20(水) 19:27:14 id:ZAMaUmhI

竜:新作をきっちり夏、冬2回のコミックマーケットで出す、という半年に1回の発表速度を

創作の現場に生かそうと思ったら、先に書いたものの評判を聞いて、新作を書く、

というやり方があっても良いと思うんですね。これをいっていいのかどうかはわからないですけど、

今、一番私がやりたいのはネット上でみんなが何が「うみねこ」の正解だと思っているのかについての

最大多数意見を抽出して、それを次の話で否定したいんですよ。



――おおー、なるほどなるほど!


ミステリーをそれなりに読んでるであろう記者がこの考えに感嘆できるってのもすごい

                                                                                                                      • -

その他のファウストインタビューは
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ep3の小冊子は
http://d.hatena.ne.jp/pucci2486/20080819/1219325402