最後から二番目の真実

主にミステリの感想

殺意は幽霊館から -柄刀一

殺意は幽霊館から―天才・龍之介がゆく! (祥伝社文庫)

殺意は幽霊館から―天才・龍之介がゆく! (祥伝社文庫)


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龍之介一行は温泉旅行に来たその日、不思議な幽霊を目撃する。次の日幽霊館の近くで死体が発見されるもその人は前日目撃した幽霊だった。

祥伝社の400円文庫の一冊。これは他にまほろ市シリーズがあったり一時は力を入れていたんでしょうけど今はなくなっていることから商売としてはダメダメだったんでしょう。

 今作も悪くは無いです。短編集の一編を切り出した形で出来が良い。無理過ぎない範囲での物理トリックはよく考えられていると思いますが、同時に問題点でもあります。要は「短編集の一編に400円出せるか」というところです。今でも短編集は文庫で800円くらいでしょうか?その一編に半額出せるか。微妙なところでしょうか?あっという間に読めてしまうものに幾らかの金額を取る。400円は売る側からすればワンコインにも満たない額なので行けると踏んだんだと思いますが、消費者的には厳しいかなぁ、感じます。


 作品そのものは上に書きましたが良くできています。400円の価値はあったなぁ、と。わずかなページに手がかりを散りばめ、序盤に引き付けるような推理も見せている。ただ短すぎる気もします。もうちょっと小ネタを入れて後50ページくらい増やしても良かった。しかしヤジロベーは上手かった。気づかなかった