最後から二番目の真実

主にミステリの感想

メフィストはもう古くなってきているんだろうか?

メフィスト 2009年 01月号 [雑誌]

メフィスト 2009年 01月号 [雑誌]


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答えのない絵本 -麻耶雄嵩

メフィスト学園理科準備室で殺人事件が起きた。容疑者は殺害時刻その階に残っていた20人の生徒。依頼を受けたメルカトル鮎は快刀乱麻のごとく犯人候補を消去法で消していく

といったあらすじの短編。答えのない絵本という題名どおりに最後は容疑者全員の容疑が晴れてしまう。この展開には「やはり麻耶か」と言わずにはいられない。相変わらず人を食ったような物を書くな、とため息をつくと同時に推理の穴を探したくなる。この短編は後日推理をまとめようと思う。

Aカップの男たち -倉知淳

ゴルゴ13ばりの外見ながらブラジャーをつける趣味のある東堂。同好の士と語らう楽しいオフ会に心躍るがそこで起こる珍事件。鉄のブラジャーを着け外しする鍵が消えたのだ。

とタイトルと設定でしばらく笑いが止まらない短編。楽しい小説という意味ではこれが一番だったかも。とはいえ解答自体はまず検討すべきタイプの解なのであまり面白くはなかったのが残念。この短編はもう、設定と会話の軽妙さを楽しむべきで謎はそれを引き立たせてどたばた劇を作るためのパーツなんでしょう。そのどたばたとした動き、ブラジャーが取れないという他人事なら笑ってしまえる状況、それに必死な人たち。それもまた楽しからずや


しかし、一読して思うのがメフィストに漂うどこか古臭い雰囲気。他にはないエキセントリックな雑誌を作り、「メフィストらしさ」が生まれた頃は目新しさや次々出てくる新人の輝きに目を奪われていましたが、今その目新しさは消えて新人に勢いは少なくどこか閉塞感を感じます。それは新しい存在だったメフィストが現状維持という新しさとは縁遠いところにいるせいなのかもしれません。