最後から二番目の真実

主にミステリの感想

ようやく読み終わった 探偵小説は「セカイ」と遭遇した -笠井潔

ようやく第Ⅲ部も読み終わりました。長かった。

第Ⅲ部は内容的には色々なところで書いたは良いものの単行本化できそうにない評論を集めたものでした。個人的に興味ない分野の話もあったので余り突っ込んだ感想は書きませんが、やはり、笠井氏は熱い(良いか悪いかは別にして)人だということを感じました。


 特に面白かったのは「探偵小説における幻想」。幻想と探偵小説といえば島田荘司氏の「冒頭の幻想性」「解決での論理性」を思い出します。ここではこの島田流本格ミステリ創作術を上げながら「ただの幻想-論理では『幽霊の正体見たり枯れ尾花』になってしまう」と問題点を挙げ「実際に必要なのは『幻想-論理-現実』という三項図式だ」と現実へと接着するための論理の重要性をあげています。

 私はこの意見に賛成です。やっぱり島田流奇想は尻すぼみになりがちな作品が多く、これをどうにかするためには「幻想的な論理」が必要だと思います。ただ種明かしをするのではなく、幻想を砕くのでもなく、幻想性を帯びた奇怪な論理(それこそ島田荘司氏の斜め屋敷のような)がないと尻すぼみな結末は避けられないと思います。


最後にカバーを外すとカッコイイ表紙
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