最後から二番目の真実

主にミステリの感想

密室の鍵貸します -東川篤哉

密室の鍵貸します (カッパ・ノベルス―カッパ・ワン)

密室の鍵貸します (カッパ・ノベルス―カッパ・ワン)


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その日、烏賊川市立大学映画学科の四年生・戸村流平は、二つの死への嫌疑をかけられた。大学の先輩である茂呂耕作と、元彼女の紺野由紀。流平は、由紀の死に関しては完璧にアリバイがあるのだが、それを主張できない。なぜなら、由紀が死んだ夜、流平は鍵のかかった茂呂の部屋で、彼の死体を発見していたから…。緻密な構成と大胆なトリック、飄々とした筆致。極上の本格推理デビュー作。(amazonより引用)

 タイトルは「アパートの鍵貸します」から。デビュー作からこの玄人らしさ。かなり上手なユーモアミステリーかつ本格推理小説という現在絶滅危惧種な作品。今も面白いのですがデビュー作からこのレベル、「本格推理」からの経験があるとは言えデビュー作でこの実力があればこりゃ期待もしたくなるなぁ。

 この頃からクスリと笑えるユーモアがあって驚かされますが、この頃はまだユーモア部分とミステリとしての手がかりの散りばめが分離していて「ユーモアはユーモア、ミステリはミステリ」と分裂気味なのが気になりました。とはいえこれはデビュー作に求めるレベルではないので、本当に充分な実力のある新人だったんだと実感します。

ミステリとしても、手がかりの過不足の無い配置やお酒を巡る犯人探しにうならされました。上手い!


烏賊川市の概略や第3者視点の説明の冗長さもありますが、本当に面白く(ユーモアでもミステリでも)楽しめました。