最後から二番目の真実

主にミステリの感想

ラミア虐殺 -飛鳥部勝則

ラミア虐殺 (カッパ・ノベルス)

ラミア虐殺 (カッパ・ノベルス)


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「僕は自分が犯人ではないことを知っている。つまり殺人鬼は他の、誰かだ。それを突きとめられないなら、全部殺してしまえばいい。その方が、自分が殺られるよりは、はるかにいい。疑わしきは、罰せよです」吹雪の山荘で起こった連続殺人。残された謎のメッセージカード。犯人を探そうとしない滞在者たち。ここには、人倫も尊厳もなかった。殺すか、殺されるか。その二つだけがあった。極上にして凶悪。鬼才渾身の「背徳の本格」、出現。(amazonより引用)

誰一人協力しながら生き残りを図ろうとしない、自分ひとりあるいは二人だけ生き残れば良いという考えの人間ばかりが集まった状態で起こる雪の山荘での連続殺人。


これらの要素だけ見ると成るほど「背徳の本格」ですが、どちらかというと「飛鳥部勝則が好き勝手に書いた作品」といったほうがピッタリきます。


ミステリ、それも典型的な本格ミステリの皮を被った状態で飛鳥部氏の好きな「女子高生のような外見の女性が好き勝手に黒く活躍する」話。これを好きか嫌いか好みが別れると思いますがリーダビリティそのものは高く楽しめます。


とはいえミステリをそれも「背徳の本格」を期待すると肩透かしです。飛鳥部氏独特の世界観を楽しみながら意外にもミステリ的な落ちのつく殺人事件、主人公の秘密を楽しむのがいいのでしょう。


何であんなに異形の存在が山荘に揃ったのかがご都合主義に感じましたが結構楽しめました。