最後から二番目の真実

主にミステリの感想

空から見た殺人プラン -柄刀一

空から見た殺人プラン (ノン・ノベル)

空から見た殺人プラン (ノン・ノベル)

一筋縄ではいかない難事件が続出。快調シリーズ最新作!
“さまよえる湖”をさまよう死体!?諏訪湖、宮島、秋吉台へ、龍之介が推理の旅に。その土地でしか成立しないトリックを見破れるか!
秋吉台に突然現われては消える神秘の湖、そこで、ダイバー姿の他殺体が発見された。しかし、被害者の遺留品は現場から離れた場所で見つかる。「さまよえる湖」と共に死体が移動した? 冒険家を名乗り迷路のような鍾乳洞を探検していた男はどこで殺されたのか。カルスト大地が呼んだ怪事件! 諏訪湖の御神渡り、宮島の七不思議、鳥羽の歪んだ真珠。ちょっと気弱な名探偵・天地龍之介が旅先で難事件に遭遇する! その土地でしか成立しない犯罪トリックを見破れるのか!?

<著者のことば>
空、海、大地。旅の目的地になるそれらは、同時に、旅そのものの過程である経由地ともなるでしょう。空だけは旅の目的地とはならないと言えるかもしれませんが、物語の中のイメージではそれも可能ですね。空への上昇感を味わい、そこにフワリと漂(ただよ)う。
本書の場合、そこから眼下(がんか)に様々なミステリーが見えますが、主人公たちは悪しきミステリーの部分は未然に防ぐべく奔走(ほんそう)します。それもまた、意義ある旅の一つとして。

今回も面白かった。特に感心したのはその土地特有の訛りが嫌味にならない程度に自然に使われていたこと。意外にこの「土地訛り」をキチンと書いてくれる推理小説家は少ないように感じます。


トリックの面でもその土地特有の現象、事物を効果的に使っていて面白かったです。


特に良かったのは「山口・秋吉台 空と大地の殺人」。消える湖に現れた死体の持つ妖しげな雰囲気、犯人の仕組んだ意外な殺害方法とかなり凝っていて楽しめました。

諏訪湖、鳥羽もやはりよく出来ていました。鳥羽の話は良質なフーダニットとしてもっと読まれるべきではないでしょうか?


全体に漂う旅情や一人一人の成長、確かな進歩を感じさせてくれます。