最後から二番目の真実

主にミステリの感想

まほろ市の殺人 -我孫子武丸、有栖川有栖、倉知淳、麻耶雄嵩

まほろ市の殺人 (ノン・ノベル)

まほろ市の殺人 (ノン・ノベル)


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「この街はどうかしている―」海沿いに位置する地方都市、真幌では季節が巡るごとに怪事件が起こる。春にはベランダから突き落とされたはずの男が遠く離れた場所でバラバラ遺体で発見される。夏には新人作家の淡い恋に驚くべき結末が。秋には人気小説家と陰気な刑事のコンビにシリアルキラーが立ちはだかる。冬には大金に目がくらみ兄を殺害した男がその亡霊に悩まされ…。息を呑む展開と周到に用意された驚くべきクライマックス。本格ミステリの実力派四人による渾身のシェアード・ワールド

架空の地方都市「まほろ市」を舞台に四人が描く四つの奇妙な事件。正直余りシェアード・ワールドの長所を生かしているようには感じられません。ただ、結構酷い出来ばかりと聞いていたので身構えていた分意外に楽しめました。


出来が良いのは我孫子氏と麻耶氏の作品。どちらも意外なオチを持ってきている典型的な短編ですが、アイデアと話の持って生き方に工夫が感じられとても面白かったです。


倉知氏は少々ネタが偶然とご都合に片向きすぎのきらいが、有栖川氏は完全に上手すぎる話になってしまっているのが残念。

とはいえ一冊にまとまっていると中々楽しめる、四人の個性が出た短編集になっています。色んな味を求めている人にお勧め。