最後から二番目の真実

主にミステリの感想

紳士ならざる者の心理学 -柄刀一

紳士ならざる者の心理学―天才・龍之介がゆく! (ノン・ノベル 838)

紳士ならざる者の心理学―天才・龍之介がゆく! (ノン・ノベル 838)

大学研究室で起きた新作ゲーム試作機盗難と感電死の不可解な連鎖。偶然か、それとも…。人間心理の盲点を突く驚愕のトリックとは。天地龍之介が難事件に挑む。痛快本格ミステリー『龍之介がゆく!』シリーズ最新刊。日販MARCより引用

今回は学習プレイランド落成まで。ついにここまで来ましたねぇ、最後に光章が感慨深げに龍之介を眺める気持ちが分かります。この後は果たしてどうなることやら。


特に出来がいいのは表題作の「紳士ならざる者の心理学」と「見られていた密室」。
「紳士ならざる者の心理学」は「どうやって被害者にその行動を取らせたのか」と「如何に試作ゲーム機は持ち出されたのか」の2点を心理学で解き明かす21世紀本格の見本のような一編。ゲーム機持ち出しのトリックの見事さは言うまでもないけども、自分としては「被害者を如何に左回りさせたか」の意外で納得のいく理由はさすが柄刀氏、感服でした。


また「見られていた密室」は柄刀版「スイス時計の謎」。犯人と被害者の行き詰る、そして被害者の深い思考の結果生まれた最高の短編でした。被害者の残したダイイングメッセージから論理的に一意に犯人を導き出すロジックは美しい。