最後から二番目の真実

主にミステリの感想

ペガサスと一角獣薬局 -柄刀一

ペガサスと一角獣薬局

ペガサスと一角獣薬局

ユニコーン。ペガサス。ドラゴン。永遠の命と再生する館。伝説に秘められているのは、祈りかそれとも禍か。"世界の伝説と奇観"を取材するフリーカメラマンの南美希風が挑む、奇跡としか呼びようのない難事件。(amazonより引用)


南美希風が遭遇する4つの事件。最後の「読者だけに判るボーンレイク事件」はおまけながらも味わい深い一編です。


「龍の淵」

山荘の主人は何か巨大なものに腹を打ち砕かれ死んでいた。扉には巨大な穴が開き、龍のミイラは姿を消していた。

初っ端から飛ばした短編。ドラゴンに貫かれたような傷は正直どうやって作るのかがさっぱりわからなかった。そのうえ、意外にさらりと解ける上に手がかりが過不足なく全体に散らばっているために非常に出来のいい印象が残った。その後の「読者だけに判るボーンレイク事件」と合わさって不思議な読後感が残る。


「光る棺の中の白骨」

5年前に扉を溶接された小屋から3年前行方不明になっていた女の白骨死体が見つかった。

設定だけでワクワクするものの始めに想像したトリックそのままで少し残念。動機の設定も少々厳しくトリックありきの感じが強い。しかしこのトリックを実際に短編に物した豪腕にこそ賞賛が与えられてしかるべきだと思う。島田荘司型大型トリックの歴史に残るものだと思う


「ペガサスと一角獣薬局」

ユニコーンが出るという森で何か円錐状のものに刺され、馬にけられた後の残る死体が見つかった。更にペガサスの目撃者まで現れて何も無い野原に墜落死体が出現する。

表題作であり本作1の名作。幻想的な雰囲気に大型のトリック。無駄なく張られる伏線に余韻の残る終わり方。非常に楽しめた。特にユニコーンの角に関する想像は意外で面白く驚きがある。実際にこのような事例があったのだろうか?


チェスター街の日

コレに関しては他の似たような作品の逆を行った印象が残る。数年の時を経たように見せかけて……、の逆をいきたかったのだろう。中々面白い試みで状況を生み出すための設定にも凝っていて作者の努力に脱帽。