最後から二番目の真実

主にミステリの感想

もう誘拐なんてしない -東川篤哉

もう誘拐なんてしない

もう誘拐なんてしない

俺が、おまえを誘拐してやろうか?ひょんなことからヤクザの組長の娘を誘拐する羽目になった翔太郎。関門海峡を挟んで、脱力感あふれる青春が、小気味よい九州弁が、驚愕のミステリーが炸裂する。とびきりキュート、空前の身代金トリック。(amazonより引用)

誘拐ものとしての新味はあまり無い。ただ下関の描写からは愛が感じられます。彦島や巌流島などの有名どころからローカルな情報まで、誇張しすぎることも無く無難すぎない描写がコミカルながらもリアルに感じられる理由なんでしょう。


身代金受け渡し時のトリックはどちらも良く考えられていますし、伏線が余りにも堂々と張られていたのに全く気がつかない。コレを本気で解こうと考えるならギャグ関連全てを疑ってかかる必要があります。そういう意味ではユーモアとミステリの融合は案外簡単なのかもしれません。クスリと笑わせるギャグの中に伏線を埋め込んでいけばいいのですから。


しかし、簡単に書きましたが物語全体に満遍なく笑いを潜ませるのも大変ならギャグのネタを伏線にするのも難しい。やはりかなり技量がないと出来ないものです。本当に東川氏にはこの道を究めていってほしいです。


いや本当に面白かった