最後から二番目の真実

主にミステリの感想

ロジャー・マーガトロイドのしわざ -ギルバート・アデア

ネタバレあり

2006年の作品ということで2003年刊の北山猛邦「アリス・ミラー城殺人事件」や2005年の飛鳥部勝則「誰のための綾織」とのシンクロニシティを何とも感じさせます。

これらの作品は上手く登場人物を消してしまうというトリックを使っているわけですが、その手段をどのように実現させているか、その違いがとても面白い。


「アリス・ミラー城殺人事件」では些か強引とも取れる手法で(章題に当たるページでのチェス盤の配置など)騙しにかかっているのですが、こちらの「ロジャー・マーガトロイドのしわざ」では犯人である秘書がパーティーの参加者側にも使用人側にもどちらにいておかしくない状況を作って騙しています。


この二つはアリス・ミラー城では作者が読者に仕掛けているのに対し、ロジャー・マーガトロイドでは作者から読者だけに仕掛けるのではなく主要登場人物であるパーティー参加者側にもこのトリックが効いている所がより洗練されている点です。


勿論、どの作品も効果的に騙していてとても面白いのですが、本作の「登場人物すら騙す叙述トリック」には感動を覚えました。こういったっ点では麻耶雄嵩「蛍」を読んだときの衝撃に似ています。


こういったトリック重視の海外作品が読めてとてもよかったです。大満足