最後から二番目の真実

主にミステリの感想

夏の魔法 -北國浩二

夏の魔法 (ミステリ・フロンティア)

夏の魔法 (ミステリ・フロンティア)

さよなら、残酷な世界。わたしの人生は、もうすぐ終焉を迎える―二十二歳の老婆は、少女の頃の輝かしい思い出に満ちた南の島で、人生最後の夏を静かに過ごすはずだった。しかし彼女はそこで、逞しく聡明な青年に成長したかつての初恋の相手と再会する。劇的な容姿の変化のため、中学時代に恋した相手が目の前にいることに気づかない彼の隣には、美貌の女性が明るい笑顔を浮かべて立っていた―「魔法」は、彼女たちに何をもたらしたのか?緑濃い真夏の島でゆっくりと進行する、哀しい願いの物語。(amazonより引用)

すばらしい青春ミステリ。青春ミステリには夏がぴったり来るなと改めて思います。物語の主人公に早老症の女性を持ってくることで、青春を生きる若者の向こう見ずでひたむきな部分と年老いて思慮深く急ぎすぎない部分が上手く組み合わさって青春物に特有のじれったさが無いのが良いです。


オチにあたる部分は非常に面白い。少々出来すぎた感じのする展開にもラストの部分で納得しました。青春を懐かしみもう戻れないと感じる主人公と青春真っ盛りの彼との交流には感動、主人公の嫉妬の感情も嫌な気持ちにならずに素直に共感できます。


終盤近くの取ってつけたようなトリックとラストの持って行き方に不満はありますがおおむね満足。良かった