最後から二番目の真実

主にミステリの感想

狂人の部屋 -ポール・アルテ

本格ミステリベストテン 2007年度第1位】ハットン荘のその部屋には、忌まわしい過去があった。百年ほど前、部屋に引きこもっていた文学青年が怪死したのだ。死因はまったくの不明。奇怪なことに、部屋の絨毯は水でぐっしょりと濡れていた……以来、あかずの間となっていた部屋を現在の当主ハリスが開いた途端に、怪事が屋敷に襲いかかった。ハリスが不可解な状況のもとで部屋の窓から墜落死し、その直後に部屋の中を見た彼の妻が卒倒したのだ。しかも、部屋の絨毯は百年前と同じように濡れていた。はたして部屋で何が起きたのか? さすがのツイスト博士も困惑する、奇々怪々の難事件(amazonより引用)


巷ではポール・アルテ最高傑作の呼び名も高い作品。読んでみると非常に地味な事件しか起きず、ミステリ的な興味は余り惹かれないのですがラストの解決篇で明らかになる伏線の数に驚きっぱなしでした。


解決まではホラー的な興味で引き付けられて最後は謎解きミステリらしく怒涛の解決で締めくくる。最近日本で多くなったパターンですがそれとシンクロするように邦訳されいるのが非常に不思議な感覚がします。描写も話も日本人好みで人気がある事に納得しつつも、海外作品を読んでいる気に余りならないという幸か不幸か分からない気持ちになります。


ここのところアルテ作品ばかり読んでいたので伏線の巧みさにはもう驚きません。謎解き要素以外のラブロマンスにホラーといった要素を組み合わせて読者を退屈にさせない筆力も素晴らしく文句が付けられない。強いて言えば起きる事件がどうも地味なこと位です。


納得の良作