最後から二番目の真実

主にミステリの感想

腕貫探偵、残業中 -西澤保彦

腕貫探偵、残業中

腕貫探偵、残業中

明晰な推理力をもつ安楽椅子探偵は公務員!

悩める市民の相談ごとが次々に持ち込まれる「市民サーヴィス課臨時出張所」の窓口。そこで対応する職員にして、黒い腕貫を嵌めたその男は、じつに聞き上手。相談者のこみいった個人的事情を聞きだすうちに、奇怪な事件の糸口が…。立て籠もり? 偽装殺人? 詐欺? 轢き逃げ? などなどさまざまな事件も、人間関係をほぐされていくと意外にも…。日常の暗部に恐ろしい罠が待ち受けているのが人生にはちがいないが!? あっけらかんとプライベートな秘密に迫る、嫌味なまでに冷静沈着な腕貫男は神出鬼没なくせに、杓子定規な市民サーヴィス課苦情相談係。そんな腕貫男を慕うエキセントリックな彼女は食いしん坊。オフタイムの腕貫のもとへ難題を持ち込むのだが…。軽妙な筆致でユーモラスに描く、西澤ワールド炸裂の連作ミステリ六編。(amazonより引用)

腕貫探偵の私生活が少し書かれ、シリーズモノらしく「謎と解決」に加え「キャラクターの魅力」で読ませる構成になってきました。意外な着眼点からするすると真相を引き出していく面白さは前作と同様ながら物語をより魅力的に見せるためのコネタを仕込むなどよりこなれた印象。


腕貫探偵をお話に決着を付ける装置にして、女王様型女子大生を前面に押し出し話にバリエーションを増やす手法は正直賛否が分かれるところかもしれません。自分は結構気に入っています、新登場人物の女王様女子大生住吉ユリエのキャラクターも「機械造りの神様」型探偵も。


定番モノの面白さ