最後から二番目の真実

主にミステリの感想

東方の黄金 -ロバート・ファン・ヒューリック 和邇桃子訳

東方の黄金 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1804)

東方の黄金 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1804)

【この慧眼から逃れる悪はこの世になし!ディー判事最初の事件】今から1300年余の昔、唐の都を老僕のみを従えた一人の若い官吏が旅立った。海沿いの僻地の町へ、何者かに毒殺された知事の後任として赴くのだ。旅の途上で、新たに二人の信頼できる部下を得た彼は、勇躍任地へ入る。だが、そこには人食い虎が跋扈し、新妻失踪や僧侶惨殺など、数々の難事件が待ち受けていた。さらに役所には毒殺されたはずの前知事の幽霊も……山なす怪事件に怯むことなく立ち向かう彼こそは、後世に神のごとき探偵としてその名を轟かせるディー判事、その人だった! 長きにわたる判事の事件記録の劈頭を飾る名作を最新訳で贈る(amazonより引用)

新訳されたディー判事シリーズ第1作。第1作らしい若書きの生硬さや展開の詰め込みすぎ、流れの不自然さ、とって付けたような怪異のオチ。まだまだこの頃は方向性や叙情を描ききれていない事が読み取れます。

が、それは文章力、経験の問題であって作者が描きたかったであろう中国世界の持つ風雅さは充分伝わってきます。トリックも小ぶりなものを数多く詰め込む形態が既に出来上がっていることが判りますし、新訳ならではの後の展開を知ったうえでの楽しみが多く一気に読めました。


なかなか