最後から二番目の真実

主にミステリの感想

白薔薇と鎖 -ポール ドハティ著 和爾桃子訳

白薔薇と鎖 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

白薔薇と鎖 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

わしゃ驚いたね。なにしろ場所はロンドン塔、やたらに人が入り込める場所じゃあない。そのうえ、あの医者めは堅牢なそこの一室に閉じ込められ、見張りの兵隊までついておったんじゃから。ところが、夜が明けてみると、ころりと死んでおる。しかも毒殺ときた。どうやって毒を盛ったか、これがさっぱりわからない。食べ物でも飲み物でもないとなると…一代の風雲児ロジャー・シャロット!齢九十でもあらゆる欲を失わない怪翁が若き日の初めての冒険を語る。スコットランド王室をめぐる密室毒殺事件は、海峡を越えた大事件へと発展したのだ。(amazonより引用)

90歳の怪翁シャロットの回想録という体裁で描かれる怪事件。スコットランド王室を巡る歴史ミステリであり、密室毒殺事件を巡る本格ミステリであり、次々と襲い来る追っ手と丁々発止の活躍を描く冒険物でもある、贅沢な作品。


スコットランドを巡る歴史は当然のこととして描かれるのでそのあたりを知らない人には厳しいかも。とはいえ気がつけばシャロット翁の語りに引き込まれること請け合い。下ネタも平気で入るのでお堅いということは無く読み易いほうでしょう

密室毒殺事件は結構大胆に伏線が張られていて感心。歴史ミステリの部分は中なか身も蓋もないその後。歴史の表舞台に出てきてないということはそういうことなのでしょうが……

面白いよ