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最後から二番目の真実

主にミステリの感想

マスグレイヴ館の島 -柄刀一

マスグレイヴ館の島

マスグレイヴ館の島

内と外から施錠された「密室牢獄」の中で墜落死した男と、まわりを食べ物に囲まれたテーブルの上で餓死した男。現代に蘇った“マスグレイヴ館の島”は百年前の奇想のままに、不可思議な死で飾られた。また、島の対岸の岬でも、時を同じくして関係者の死。絶壁まで続いた足跡は飛び降り自殺としか思われなかったが…。符号のように繰り返される“墜落死”、海を隔てた島と岬で起こった連続怪死事件にはなにが秘められていたのか。奇想とロマンの横溢する本格長編ミステリ。(amazonより引用)

不可解な謎がダイナミックなトリックによって解決される島田式本格の定石に則った、定番な柄刀作品。

もはやレベルが高止まりな柄刀作品らしく島荘式本格をきっちり実践され、不可解な「あなた」への語りと相まってふわふわと幻想的な美しさあふれる本格ミステリ

いつも思うんですがこの大胆すぎるがきっちり複線を張る技量には驚きがあります。この発想力こそミステリの一番の魅力ですが、柄刀式の美しさはそれをさらに一歩進めて幻想的な謎を幻想的な解決で彩り、島荘式本格にありがちな「幻想的な謎が現実的に解決されてかえってガッカリ」が消えているのが本当にすごい

今回で言えば、「密室の墜落死体」という不自然な状況をさらなるダイナミックな解決でより幻想的な上書きすることで最後まで面白い謎でいられ続けるのはいいんだよねぇ

柄刀氏の良いところはそういった本格ミステリらしい面白さに今回のシャーロキアンのようなプラスの要素を加えてくるところ。時々失敗していますがそれでも1+1=2のような面白さがあるんで好きなんですよね

今回もよかった