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最後から二番目の真実

主にミステリの感想

退職刑事1 -都筑道夫

退職刑事 (1) (創元推理文庫)

退職刑事 (1) (創元推理文庫)

かつては硬骨の刑事、今や恍惚の境に入りかけた父親に、現職刑事の息子が捜査中の事件を語ると、父親はたちまち真相を引き出す。国産《安楽椅子探偵小説》定番中の定番として揺るぎない地位を占める、名シリーズ第一集。収録作品 写真うつりのよい女/妻妾同居/狂い小町/ジャケット背広スーツ/昨日の敵/理想的犯人像/壜づめの密室(amazonより引用)

なるほどねぇ。理論の実践といった趣が強い短編集なのはそういった意図があったんだねぇ、と素直に感心できる出来。

後書き曰くアームチェアディテクティブこそ「知恵の物語のもっとも純粋、素朴なかたち」とあるように、退職した父親の冴え渡る妄想力がとても楽しい。子供の現職刑事からの話から牽強付会なほど想像の力を羽ばたかせて得られる物語が実に面白い。中でも「ジャケット背広スーツ」は実話が元になっているだけに不思議なリアリティがあり面白い。解説で法月綸太郎もいうとおり「九マイルは遠すぎる」のような似たものになっているとは思いますが、それでもこの結末はいいんじゃないかなぁ。「五十円玉二十枚のなぞ」なんかもそうだけど何気ない景色から想像するってのはとても楽しい。


名作の評も納得