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最後から二番目の真実

主にミステリの感想

幸運を招く男 -レジナルドヒル 羽田詩津子訳

幸運を招く男―私立探偵ジョー・シックススミス (ハヤカワ ポケット ミステリ)

幸運を招く男―私立探偵ジョー・シックススミス (ハヤカワ ポケット ミステリ)

ベッドフォードシャーの工場町ルートンに住むジョー・シックススミスは、そろそろ四十に手が届こうかという中年男。折からの不況で働いていた工場を首になり、探偵稼業を始めたものの生来のお人好しと気の弱さが災いしてか客足のほうはさっぱり。たまに依頼人がやってきたと思えば、持ち込まれるのはきまっておかしな事件ばかりだ。今日も保険会社に勤める男が突然オフィスに入ってきて、一家を皆殺しにする件で相談したいと物騒なことを言い出した。おそるおそる聞いてみれば、最近頻繁に見る夢の話だという。さらに幼い二人の子供を連れてうろたえるインド人女性や、夫の浮気相手が自分を呪い殺そうとしていると怯える美女から無理難題をふっかけられ、シックススミスは右往左往…。情にもろく美女にはめっぽう弱い黒人探偵ジョー・シックススミス登場!英国ミステリの鬼才が贈る、ユーモアとペーソスに富んだ期待の新シリーズ。(amazonより引用)

大量の奇妙な事件に巻き込まれる、元旋盤工ジョー・シックススミス。これだけでも結構面白そう。読んでいる内に不思議と分けのわからない事件同士に関連が生まれ、また別個に話が進んでいく。連作短編集をひとつの長編にまとめたような面白さがとても読んでいて気持ちいい。

タフなハードボイルドになれず、シャーロック・ホームズにもなれない、歌の得意な黒人主人公シックススミスは読者の共感を持たせるし、案外美人とよろしくやれてるのも作者の憎らしい「売れるための」テクニックか。結構アクション、スリル、サスペンスがあるのも海外小説らしいサービス精神でいい。

素晴らしい海外ミステリ。