読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

最後から二番目の真実

主にミステリの感想

水底の妖 -ロバート・ファン・ヒューリック 和邇桃子訳

水底の妖(ハヤカワ・ポケット・ミステリ1829)

水底の妖(ハヤカワ・ポケット・ミステリ1829)

都の北西、漢源の町は神秘的な湖のかたわらに横たわる。その湖水で溺れた者の死体は決して上がることはなく、死者は町を彷徨い歩くといわれる。その地に赴任したディー判事は、地元の名士たちが歓迎のため催した船上の宴に出席した。宴もたけなわ、ひときわ美しい芸妓が判事に近づき、囁いた……この地に陰謀があります。だがその真意を語ることなく、彼女は何者かによって湖水へ突き落とされ無惨に溺死してしまった。されば、あの告発は単なる芸妓の戯言ではない。判事の頭脳が目まぐるしく回転する! 著者初期の傑作が、待望の最新訳で登場(amazonより引用)

テンコモリのネタでお腹いっぱい!中国湖水殺人事件からの新訳で(以前の版を知らないんだけども)結構読みやすい。相変わらずカタカナ言葉を使わない訳し方には尊敬の念が沸いてきます。今回はズボンを「ずぼん」とひらがなで書いていたのが気になるっちゃ気になるけど、すごいよなぁ。

話はまだ?若いディー判事が叱責されるのが面白い。民には絶対的な力のある知事も国には逆らえんのね。後書きにも書いてあるとおり、その職務の激しさに加え国の抜き打ち査察もあってはこりゃ、肉体的にも精神的にも辛すぎる。極力事なかれで談合し始めてもおかしくないつらさだわ。

湖の怪事件に密室殺人、謎の結社の暗躍に誘拐事件。かなり並列で事件が起きるのは相変わらずだけども、今回は一つ一つがかなりどんでん返しを起こすのでまぁ混乱する。お腹いっぱい。その中でも囲碁の暗号が結構面白い。竹本健司がこれをモチーフに書いたらかなりのものが出てきそう。

面白いよ