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最後から二番目の真実

主にミステリの感想

隻眼の少女 -麻耶雄嵩

隻眼の少女

隻眼の少女

古式ゆかしき装束を身にまとい、美少女探偵・御陵みかげ降臨!因習深き寒村で発生した連続殺人。名探偵だった母の跡を継ぎ、みかげは事件の捜査に乗り出した―。(amazonより引用)

意外に後味が悪くない、結構爽やかめ(麻耶雄嵩的には、だけど)の終わり方で、話のほうも案外普通。麻耶雄嵩氏による後期クイーン問題への姿勢といえるかもしれないが、それでも結構薄味。これは一般受けも狙えるかも。表紙もかわいい女の子だし。カバーめくるとあまりの目ヂカラにビビるけども。

まぁ、ここまでは薄めの麻耶ミステリという感じで書いたけども、実際これは、作中で書かれた落ちでいいのか疑ってみよう。

まず、みかげ(娘)の父親が誰か。
みかげ(娘)の父親の候補は単純に考えれば
・静馬
・岩倉
の二人が考えられる。岩倉とみかげ(母)は結局何を話したか不明の二時間半があるから一発やる暇はあったわけで。一発より二発のほうが確率が上がるしね。ただ、最後のみかげ(母)の「夢中だったから」発言を考えると静馬だけだったと考えるのが自然か。

18年前の犯人が誰か。
話をそのまま解釈すれば(解釈もクソもないけど)犯人はみかげ(母)だったわけだけども、そうするとみかげ(母)を背負ったときに静馬が感じた「首にかかった滴」が本当に雪だったことになる。とはいえ、これ本当に雪だったとすると静馬の間抜け振りがすさまじいことになる。雪と涙の温度の違いを感じ取れないって……
単純なみかげ(母)犯人説以外に
・岩倉犯人説
・和生犯人説(本当にスガル様犯人説)
で、
・みかげ(母)がみかげ(娘)のためにあえて犯人になってみかげ(娘)に箔をつけた説
書いてて、この説はなさそうやね。ぶっちゃけ今回の話なら誰が犯人になっても不思議じゃないわ。

なぜ大難が起きなかったか
冷静に考えると、これって結構不思議。普通の麻耶雄嵩なら間違いなく大難で静馬が絶望のズンドコまで落ちるのが普通なのに。実際は誰にも気づかれずに大難は起きてたんじゃないかなぁ。
・雪月花三姉妹が実はスガル様の娘ではない
とか。三姉妹が生まれたのは大難の時期じゃないけど。

今回は色々投げっぱなしやね。