最後から二番目の真実

主にミステリの感想

探偵家族 冬の事件簿 -マイクル・Z・リューイン 田口俊樹訳

親子三代で探偵業を営むルンギ一家は、相変わらずの超多忙。今日も美人の依頼人が駆け込んでくる。聞けば、ポケベルを使って脅迫されていると言うではないか。数字しか表示できないポケベルで、いったいどうやって?一家の次男アンジェロ夫婦の名推理が冴える(かも)。お洒落なブティックの店先を襲う謎の女性集団の事件あり、孫娘マリーも警察のご厄介になったりと事件の連続。そして一家のリーダー親爺さんは、発掘された白骨の謎という、本格的な殺人事件(ただし十年前の)に挑戦!ほのぼのと楽しい探偵一家のユーモアあふれる大活躍。(amazonより引用)

個性的なルンギ一家が解決するのは殺人事件に、ダーティーガールズ、コールミーエスタの999コール、と個性的な事件が次々出てきては勘違いと急展開と名推理でドタバタと動いていく。

物語には「キャラクターが話を進める」ものと「話がキャラクターを動かしていく」ものの2種類があるとしたら、この小説は明らかにその両方を持つ傑作と言える。

なにせ、8人もいる家族が3つ4つの事件を抱えてそれぞれに悩みや葛藤を持ちつつ明るく過ごす様を描いているんだから、物語の魅力も登場人物の魅力も両方必要なのは見える。しかし、実際にそれぞれを(変な語尾や話し方をさせずに)キャラを立て、それぞれの人物が栄える物語を考え、読者の混乱を意図的にコントロールしながら話を進めていく。こんな芸当そうそう出来る物ではない。

それをやる作者はすごい!と言っても良いし、きっちり把握して訳す訳者もすごい!と言いたくもなる。

素晴らしい群像劇でした。満足