最後から二番目の真実

主にミステリの感想

漂流巌流島 -高井忍

宮本武蔵は決闘に遅れなかった!?赤穂浪士浅野内匠頭が殿中刃傷に及んだ理由を知らなかった!?近藤勇池田屋事件を無理矢理起こしていた!?鍵屋ノ辻の仇討ちは上手くことが運び過ぎた!?人使いの荒い監督に強引に引きずり込まれ、チャンバラ映画のプロットだてを手伝う破目になった主人公。居酒屋で額を寄せ合い、あーでもない、こーでもないと集めた史料を検討すると、巌流島の決闘や忠臣蔵の討ち入りなどよく知られる歴史的事件の目から鱗の真相が明らかに…。第二回ミステリーズ!新人賞受賞作を含む、挑戦的歴史ミステリ短編集。(amazonより引用)

うーん、難しい。読んでいて面白かったので、それで良い気がする。でもどこか乗り切れなかった。

乗り切れなかった点としては、「謎を謎と認識する」までが長い事。宮本武蔵の話では、「宮本武蔵と名前がよく似た人物がいたこと」「巌流島の位置関係と潮流」やら謎を認識するまでのステップが多かった。歴史物を短編でやると詰め込みがちになるのは仕様がないとはいえ、この詰め込みっぷりは厳しかった。

逆に言えば、その辺りに慣れてしまえばこれほど面白い物はないかもしれない。何せ話としては「謎→解決」までのページ数も少なく、熱心に調査された歴史ミステリを読めるのだから。

キャラクター面でも無茶苦茶な事をやらせるけど鋭く謎を解く監督に、お色気?要因のアイドル、何だかんだで仕事をこなす語り手と、今後もこのスタイルをやっていくのに必要なメンツがそろっている。

2作目が楽しみ。