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最後から二番目の真実

主にミステリの感想

修道女フィデルマの洞察 -ピーター・トレメイン 甲斐萬里江訳

法廷弁護士にして裁判官の資格を持つ美貌の修道女フィデルマが解き明かす事件の数々。宴の主人の死の謎を探る「毒殺への誘い」、殺人犯にされた修道士を弁護する「まどろみの中の殺人」、競馬場での殺人を扱う「名馬の死」、孤島での修道女の不可解な死を調べる「奇蹟ゆえの死」、キルデアの聖ブリジッド修道院での事件を解く「晩祷の毒人参」の5編。日本オリジナル短編集第2弾。(amazonより引用)

古代アイルランドを舞台にブルホンの資格を持ち、アイルランド5王国の大王の妹フィデルマを主役に据えた短編集。本当は「修道女フィデルマの叡智」の続編に当たるらしいのだが、第1短編集の作品はミステリーズ!でしか読んでいなくて、この短編集がミステリーズ!の短編を集めた物だと思っていた。残念(自分の調査能力が、という意味で)

作品としては正直ミステリーと言うより、古代アイルランドの習俗、生活を楽しむ時代小説的な要素が強い。謎とその解決は結構シンプルで「毒殺への誘い」は想像通り過ぎるトリックと動機だった。

とはいえ、古代アイルランドに思いをはせながら当時の人達がどのような思いで事件を起こしたのかを考えると、なかなか楽しめる。先ほど想像通りといった「毒殺への誘い」も、当時の族長がなぜ、事件を起こしたのかを考えると現代のメンタリティとは違う感触が得られる。

雰囲気第1、ミステリ第2。こんな小説も面白い。