最後から二番目の真実

主にミステリの感想

私たちが星座を盗んだ理由 -北山猛邦

恋のおまじないに囚われた女子高生の物語『恋煩い』、絶海の孤島にある子供たちの楽園の物語『妖精の学校』、孤独な詐欺師と女性をつなぐケータイの物語『嘘つき紳士』、怪物に石にされた幼なじみを愛し続ける少年の物語『終の童話』、七夕の夜空から星座を一つ消した男の子女の子の物語『私たちが星座を盗んだ理由』。これぞミステリの醍醐味全てはラストで覆る。(amazonより引用)

いや、全く成長したものだなぁ、というのが読んで最初に思った事。デビュー作の「クロック城殺人事件」の腰砕け感が見られなくなり、当時から書きたかっただろう幻想的で浮遊感のある作品世界作りが出来るようになっている。

「恋煩い」……恋のおまじないと、プロバビリティの犯罪を結びつけた発想力に驚き。なるほど、こうして話にすると結構ありそうな感じがして面白い。最後のボトルシップ?の落ちも良い感じ。

「嘘つき紳士」……「恋煩い」と同種のトリックを一ひねりした作品。面白い物の2編連続ではちょっと飽きる。一番のポイントになる、携帯を拾えた理由が分かるときの(読者が見ている)世界の変貌は効果的。

「妖精の学校」……さぁググるんだ。

「終の童話」……童話にしては説明的過ぎるが、余韻が楽しめる。いろいろ都合が良すぎるが。

「私たちが星座を盗んだ理由」……おおー、と思わせるトリックとロジック。星座を盗む手際は楽しい。こうやれば星座は盗めるのか、と思わず思ってしまう説得力はこの短編集一だ。最後のひっくり返しは腰砕け。ここだけ残念だね。

面白かった。