最後から二番目の真実

主にミステリの感想

眼を開く -マイクル・Z・リューイン 石田善彦訳

【心やさしき探偵サムスン、営業再開】とうとう私立探偵免許が戻ってきた。長く辛かった失意の時代とはおさらばだ。また私立探偵アルバート・サムスンとしての日々が始まる@@営業再開にあたって、家族や友人たちも祝福してくれた。ただひとり、幼なじみの親友ミラー警部をのぞいて。確かに免許を失ったいきさつから彼とは疎遠になっていたのだが……やがて復帰後初の大仕事が舞い込んだ。依頼は大手の弁護士事務所から。だがその仕事とは、ミラーの身辺調査だった! 彼の身辺に、いったい何が起きているんだ? 心やさしき探偵アルバート・サムスン復活。待望のシリーズ最新作!(amazonより引用)

アルバート・サムスンシリーズは初めて読むけども、このリアルな世界を愉快に過ごそうとするサムスンはとてもかっこいい。

人間的な暖かさやユーモアを忘れず、多くの苦難にやれるところから取り組んでいく姿勢は社会の寒さを感じている大人たちの希望になりうる。友人の逆境に心砕き、不思議な縁で出会った女性と心を通わせる。出会う人たちはみなそれぞれの生活を持って生きている。そんなアメリカの一こまを切り取ったような物語は現実味を帯びながらも優しい。

サムスンや友人のミラー、娘のサム、果ては非合法タクシーの運ちゃんまでユーモアと優しさを持って生きている。日本のミステリではあまり見なくなったような(自分の趣味の偏りのせいの気もするが)優しさが心にしみる。

一気にファンになった。