最後から二番目の真実

主にミステリの感想

寅申の刻 -ロバート・ファン・ヒューリック 和邇桃子訳

中国・唐代に宰相をつとめた狄仁傑は、その若き日に各地の知事を歴任し、その先々で名判事としての伝説を残した。その記録に感銘を受けた著者ヒューリックは、自らの作品に判事を探偵役で起用し、一連のシリーズを書き上げる。今日でも世界中で人気を博すディー判事シリーズの最後を飾る本書には中篇二作を収録する。一匹のテナガザルが残していった指輪を手掛かりに快刀乱麻の推理を披露する「通臂猿の朝」と、孤立無援の状況で田舎屋敷の怪事件を解決する「飛虎の夜」は、いずれも長篇作品にも勝る会心作である。(amazonより引用)

これにてディー判事シリーズも読み納め、に本来なる1冊。とはいえ、自分がこのシリーズを順不同に読んでいるためまだまだ未読の作品が残る中での読了。

結論からいうと、最後の1冊であるはずの本作もまだまだシリーズが続きそうな雰囲気で終わっている。というのも、「通臂猿の朝」にせよ「飛虎の夜」にせよどちらもシリーズの間を埋める作品だから、まだシリーズが続きそうな感じになる。正直時系列的に最後の作品を読んでいないのでなんとも言えないけども、ディー判事シリーズはまだまだ続けられる余地を残したままシリーズを終えた気がする。

この短編達はどちら着想の見事に驚かされるからだ。手長猿から指輪が落ちるところから始まる「通臂猿の朝」、孤立無援の田舎屋敷にたどり着くところから始まる「飛虎の夜」、どちらも話がどう落ちるのか想像もつかない。

この着想だけで楽しめる。

最高!