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最後から二番目の真実

主にミステリの感想

彼女らは雪の迷宮に -芦辺拓

このホテル、なにかがおかしい招待客が消えていく……
雪深い山間の一軒のホテルで女たちに狂気が忍び寄る。本格ミステリの名手が仕掛ける壮大なトリック――(amazonより引用)

最近の芦辺氏は新しい事へ挑戦しようという気概を感じる。「紅楼夢の殺人」、「千夜一夜の館の殺人」、今回の「彼女らは雪の迷宮に」。どれも既存のモチーフに新しい息吹を入れようという挑戦心あふれる作品だと思う。

とはいえ、個人的に「紅楼夢の殺人」以外はその挑戦心以外の部分で成功しているとは言い切れない作品だと思う。今回の「彼女らは雪の迷宮に」もクローズド・サークルに携帯電話を持ち込んだり、核心部分の「実は……」の部分も面白い。所々でサスペンスを盛り上げてくれる挿話も良い感じだと思う。

しかし、やはり駆け足気味というか、息吹を吹き込もうという気概に対して物語が受け切れていない感じがする。それは社会批判の部分の「生」さがモチーフ(今回はクローズド・サークル)との相性が良くないのかもしれない。

イマイチ煮込まれていない。