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最後から二番目の真実

主にミステリの感想

朱の絶筆 -鮎川哲也

人気作家・篠崎豪輔が殺された。軽井沢の彼の山荘に元編集者、挿絵画家、作家志望者、ホステスら関係者が集まっている時だった。絶大な支持を笠に着て周囲の者には傲岸不遜な彼だったゆえ、誰にも殺害の動機は考えられた。だが、警察は容疑者すら絞れない。混迷のなか、さらに殺人は続き…。そこへ名探偵・星影龍三!鋭利な推理で不可解な事件の真相に迫る。(amazonより引用)

「長編版」「短編版」2種類の「朱の絶筆」が読める、結構贅沢な1冊。鮎川氏の解説もついて文庫というよりは全集に近い作りになっている。

作品そのもは鮎川氏らしいキッチリとした作りとどこか緩い描写。必要なところを余すことなく、不要なところは削り落とす。無駄な描写が多い最近の小説とはやはり乗っているトレンドが違う。どちらが良いかは別にしてもすっきりとした味わいの鮎川作品は何度も楽しめる。

今作は長編版はプロローグのミスリードが面白い物の、個人的には切れ味鋭い短編版が楽しい。

トリックはシンプルながら盲点をつくたぐいの物のため、明かされた後如何に読者をだまそうとしていたかを確認する楽しみがある。

面白い。