最後から二番目の真実

主にミステリの感想

神隠し -翔田寛

天保八年、神田百壁町の甚兵衛長屋近くにある煮売り屋“おかめ”を営む「こはる」は、一年前に腕利きの大工だった夫・幸次郎と死に別れ、母・娘との三人暮らし。“おかめ”への客足が減るなか、幼子をあやすのが得意なこはるが思いついたのは、子預かり屋の商売だった。―夜泣き、寝小便、よろず承り候。よそ様の赤子の世話はもちろん、夫婦喧嘩の仲裁やら何やらと相談にのるうちに、気になることがあると首をつつこまずにいられない性格のこはるは、身近で起こった奇妙な事件に巻き込まれ、その解決にひと役買うことに…。(amazonより引用)

江戸の下町を舞台にした人情物語り。「消えた山高帽」の作者らしく、人情物ながらピリリとしたトリックが効いている。創元社の作品からして情景描写、人物描写が上手かったけれども、こういった人情下町物は作風にマッチしていてとても心地よかった。

煮物の描写といい、なくなった旦那さんの描写、子供の様子。どれをとっても暖かな雰囲気がにじみ出てきて良かった。

良作。