最後から二番目の真実

主にミステリの感想

柳園の壺 -ロバート・ファン・ヒューリック 和爾桃子訳

「ひい、ふう、みい。ひとりは寝床をなくし、ひとりは片目をなくし、最後のひとりは頭をなくす」疫病が蔓延し、人影もまばらになった都に、奇妙な歌が流行る。その歌に符合するように、都の代表的な旧家で惨劇が続いた。豪商のメイが深夜階段から転落して死に、郡公を称するイーも何者かに殺害される。都の留守を預かるディー刑事は人心を不安に陥れる事件の捜査を開始した。だが、食糧不足、治安の悪化、天候の不順に悩まされ、三人の副官たちも手一杯のありさま。民衆暴動の危機にも直面しつつ、はたして事件を解決に導くことが出来るのか。(amazonより引用)

数え歌に見立てた連続殺人、黒死病になぞらえた疫病に苦しむ都。こういった背景があるにも関わらず、相変わらずのディー判事の活躍が読めるのは面白い。どんな筋立てでも最早ディー判事はディー判事でしかいられない。丹念に仕事をこなし、悪人には容赦なく、家族思いのディー判事の活躍。

今回ははっきり言えば殺人事件よりも馬栄に訪れる春を楽しむ1冊。もうそれだけで面白い。