最後から二番目の真実

主にミステリの感想

ななつのこ -加納朋子

ななつのこ (創元推理文庫)

ななつのこ (創元推理文庫)

 

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【第3回鮎川哲也賞受賞作】
短大生の入江駒子は『ななつのこ』という本に出逢い、ファンレターを書こうと思い立つ。身辺を騒がせた〈スイカジュース事件〉をまじえて長い手紙を綴ったところ、事件の“解決編”ともいうべき返事が舞い込んだ! こうして始まった駒子と作家のやりとりが鮮やかにミステリを描き出す、フレッシュな連作長編。

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気にはなっていたけども、読めていなかった加納朋子氏のデビュー作「ななつのこ」。読んだ率直な感想は「やっかいな形式で良くやりきったな」というもの。物語の構成上「はやと」の物語と「入江駒子」の物語を重ねながらそれぞれに解決を持たせる多重性が各短編にあるため、本当に書くのが大変だったろうと思わせる。

 

真相一つ一つは残念だけどそれほど手の込んだ物はない。しかし、物語の優しさと主人公の性格がこういった「優しい真相」を作っているのを見るとやはり心がゆったりとした物になる。

 

女性作家らしく最後は恋物語に行くと見せかけてズッコケで終了、というのも女性作家らしくて良い。素直な一冊。