最後から二番目の真実

主にミステリの感想

幽女の如き怨むもの -三津田信三

幽女の如き怨むもの (ミステリー・リーグ)

幽女の如き怨むもの (ミステリー・リーグ)

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戦前、戦中、戦後にわたる三軒の遊郭で起きた三人の花魁が絡む不可解な連続身投げ事件。
誰もいないはずの階段から聞こえる足音、窓から逆さまに部屋をのぞき込むなにか……。
大人気の刀城言耶シリーズ最新書き下ろし長編! 

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ミステリ色薄めの刀城言耶シリーズ最新作。遊女生活の悲惨さはそれだけでホラーになると言うことなのか。姿の見えない幽女が渡り廊下を渡るとその先の部屋から人が飛び降りる。うーん、これだけだと普通のホラー。

 

しかし、最後三人の「緋桜」の正体が明かされるラストは恐ろしい。ミステリ的には何てことないことが、遊郭を舞台とするだけでここまで恐ろしいとは。現実的な意味で。

 

今回はミステリ色薄めで、ドキュメンタリーチックに三人の「緋桜」の物語が描かれるため、刀城は余り出てこず、淡々と遊郭の日常が描かれます。そのため、遊女の生活や末路、遊郭を運営する人々など読み物的に楽しめる作り。何が起きて何が怪異か、正直「幽女」よりも「遊女」の方が恐ろしく、悲しい。 

 

ちなみに帯を外すとこの表紙、上下逆さだと分かります。うーん、恐ろしい。