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最後から二番目の真実

主にミステリの感想

生還 山岳捜査官・釜谷亮二 -大倉崇裕

生還 山岳捜査官・釜谷亮二

生還 山岳捜査官・釜谷亮二

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いったい、あの山で何があったのか。『聖域』に続く大倉崇裕の山岳ミステリー、ついに文庫化。
山で不審な遺体が見つかったとき、あの男が呼び出される。
山岳遭難救助隊特別捜査係・釜谷亮二。

山岳捜査官とは、いわば「山の鑑識係」である。遭難救助隊が不審な点のある遺体を山で発見したときに登場し、残された微細な証拠や聞き込みから、彼らはその死の真実を突き止める。

四月中旬、北アルプス黒門岳で見つかった女性の遺体。彼女は、右手に握りしめた折りたたみナイフで、黄色のダウンジャケットを雪面に刺し貫いた状態で死んでいた。彼女の死の真相、そしてダウンジャケットのもつ意味とは。(第一話『生還』)

『山と溪谷』連載時から話題を読んだ山岳短編ミステリーが待望の文庫化 (amazonより引用)

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 気がつけば山岳ミステリ作家になっている気もする大倉氏の短編集。余りに山々していない、山を舞台にしたミステリといった印象。「聖域」の時もそうだったけど、山を舞台にしているので必然「なぜ山に登るのか」がテーマになっている。

 

 そこで書かれるのは理由がなかったり、見知らぬ人に頼まれたからなのか。命を危機にさらしてまで登る必要はないのだけど、しかしだからこそ納得できる。薄いつながりだろうと、命の恩人に頼まれようと、そこに義と情を感じてしまうんだよね。

 

しかもミステリとしてみると 、結構こった作りだし。決して濃いミステリではないんだけど一つ一つの手がかりの置き方、推論の立て方、丁寧な物語運び。綺麗。