最後から二番目の真実

主にミステリの感想

エデン -近藤史恵

エデン

エデン

>>

あれから三年―。白石誓は、たった一人の日本人選手として、ツール・ド・フランスの舞台に立っていた。だが、すぐさま彼は、チームの存亡を賭けた駆け引きに巻き込まれ、外からは見えないプロスポーツの深淵を知る。そしてまた惨劇が…。ここは本当に「楽園」なのだろうか?過酷なレースを走り抜けた白石誓が見出した結論とは。

<<

 前作「サクリファイス」から引き続きチカが主人公を務める自転車小説、ほんのりミステリ。前作を読んでいなくとも楽しめる作品だった。

 

今回はドーピング疑惑に揺れるスーパールーキーとチカのチームの存亡が絡んだ、少しどろっとしたお話。とはいえ、そこは近藤女史、読後は爽やかで、決して登場人物たちがみんな幸せになっていないのに清々しい。自転車を離れた彼はやがて戻ってきて活躍するだろうし、みんなそれぞれに生きていく事だけは間違いない。生きる、走る、そういった美しさを感じられる作品。

 

いや、佳作ですわ。