最後から二番目の真実

主にミステリの感想

進々堂世界一周 追憶のカシュガル -島田荘司

時は一九七四年、京都大学医学部に在籍していた御手洗潔は、毎日、午後三時に、進々堂に現れた。その御手洗を慕って、同じ時刻に来るサトルという予備校生がいた。放浪の長い旅から帰ったばかりの御手洗は、世界の片隅で目撃した光景を、静かに話し始める…。砂漠の都市と京都を結ぶ幻の桜、曼珠沙華に秘められた悲しき絆、閉ざされた扉の奇跡、そして、チンザノ・コークハイの甘く残酷な記憶…。芳醇な語りが、人生の光と影を照らし出す物語。(amazonより引用)

最近の島田荘司は、最早「普通の物語」ですら感動の作品に仕上げてしまう。

この短編集も一つ一つは明らかに「普通の物語」なのに、もちろん島田荘司らしい差別と諦めと怒りの物語ではあるけども、全くもって読み終わったあとは悲しみに心が震えている自分がいるわけである。

本当に島田氏の語りの力には驚かされるわけで、この作品もまたそういう意味で面白いが、出来ればもっとミステリ的な意味で驚きたい。つまり、この作品の方向性と自分の好みが合わなかったわけで、「ゴーグル男の怪」?の方を読みましょうと言うことなのだろう。