最後から二番目の真実

主にミステリの感想

うそつき -戸松淳矩

うそつき (創元クライム・クラブ)

うそつき (創元クライム・クラブ)

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私の苦心の自信作が、外国作家の作品に酷似している…?!舌先三寸で生きる男が、死者のバッグを盗んだばかりに、嘘に嘘を塗り重ねる危険な綱渡りを演じることに…日本推理作家協会賞を受賞した著者が、ガラリと作風を変え、さり気ない描写の中にミステリの企みを宿した待望の受賞後第一作である。(amazonより引用)

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「うそ」をテーマにしたミステリ。ミステリというのはどうしても「うそ」を書かずにはいられない、文学だと思っているのだが、だからこそ「正直」にこだわっている文学でもあると思う。

 

この作品で書かれるのはそういったものとは違う、現実的な嘘。ついついてしまう嘘や、あるいは盗作疑惑。どこでもあるし、どこかで聞いたことのある嘘をテーマに、ミステリ的な嘘を重奏低音として鳴らしながら描かれる物語。この二つの嘘の物語が上手く絡んでくる。

 

面白い物語を楽しむというより、面白い物語を書く作者の力量を楽しむ、といった風情だが、面白いことに変わりは無い。

 

良いよこれ