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最後から二番目の真実

主にミステリの感想

アルカトラズ幻想 -島田荘司

アルカトラズ幻想

アルカトラズ幻想

一九三九年十一月二日、ワシントンDCのジョージタウン大学脇にあるグローバーアーチボルド・パークの森の中で、娼婦の死体が発見された。被害者は両手をブナの木の枝から吊るされ、性器の周辺がえぐられたため股間から膣と子宮が垂れ下がっていた。時をおかず第二の殺人事件も発生し、被害者には最初の殺人と同様の暴虐が加えられていた。凄惨な猟奇殺人に世間も騒然とする中、恐竜の謎について独自の理論を展開される「重力論文」を執筆したジョージタウン大学の大学院生が逮捕され、あのアル・カポネも送られたサンフランシスコ沖に浮かぶ孤島の刑務所、アルカトラズに収監される。やがて、ある事件をきっかけに犯人は刑務所を脱獄し、島の地下にある奇妙な場所で暮らし始めるが……。先端科学の知見と作家の奔放な想像力で、現代ミステリーの最前線を走る著者の渾身の一作がついにベールを脱ぐ!

 

もはや島田荘司作品である、という感想しかない。なにせ、冒頭の事件は解かれずに終わるし、途中のアルカトラズからの脱出劇は面白いし、最後に唐突に結ばれる二人も島田荘司的だし。島田荘司らしさだけで作品は書けるね。

 

真面目な話、アルカトラズから脱出したら日本の田舎に飛び出す辺りは結構面白い謎解きだと思う。脱出作戦のシンプルかつ柔軟な感じもいい。冒頭の猟奇殺人事件は謎めいているし、出てくる重力論文も面白い。

 

でも、やはり最終的に多くのものをぶん投げて筆力でねじ伏せる作品なんだよね。