読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

最後から二番目の真実

主にミステリの感想

皇帝のかぎ煙草入れ

皇帝のかぎ煙草入れ【新訳版】 (創元推理文庫)

皇帝のかぎ煙草入れ【新訳版】 (創元推理文庫)

フランスの避暑地に暮らす若い女性イヴは、婚約者トビイの父サー・モーリス殺害の容疑をかけられる。犯行時には現場に面した自宅の寝室にいた彼女だが、そこに前夫が忍びこんでいたせいで無実を主張できない。完璧な状況証拠も加わって、イヴは絶体絶命の窮地に追いこまれる―「このトリックには、さすがのわたしも脱帽する」と女王クリスティを驚嘆させた不朽の傑作長編。

 

これを読んでいるのは21世紀も10年以上経った2013年。なのにすんなり読める。トリックの使い方や登場人物の配置や性格、こういった細かい部分を疎かにせず考えて設定されているからだろう。

 

トリックの肝は「被害者の死亡時刻」であることは明白で、そこを何度も繰り返し証言させる。なのに気づかない。なぜなら書き方が余りに堂々としているから。気づくはずなのに気づかない。上手い手品のよう。

 

なるほど名作。傑作。