最後から二番目の真実

主にミステリの感想

六人目の少女 -ドナート・カッリージ 清水由貴子 訳

 

六人目の少女 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

六人目の少女 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

 

 森のなかで見つかった六本の左腕。それは、世間を騒がせる連続少女誘拐事件の被害者たちのものだと判明する。しかし、誘拐された少女は五人だった。六人目の被害者は誰なのか。失踪人捜索のエキスパートであるミーラ・ヴァスケス捜査官は、高名な犯罪学者ゴラン・ガヴィラとともに特別捜査班に加わることになる。だが、警察の懸命の捜査を嘲笑うかのように、犯人は少女の遺体を次々と発見させて…。フランス国鉄ミステリ大賞、バンカレッラ賞など数々のミステリ賞を受賞した息もつかせぬ傑作サイコサスペンス。

 六人の少女の腕が見つかったが、誘拐された少女は五人だった。出だしからしっかりつかんでくる作品。警察に協力するガヴィラを探偵役に、失踪人捜索を得意とするミーラを語り手に話は進んでいくが、警察の動きを知っているかのように少女達の遺体が見つかっていく。

 

 同時に、彼女たちが見つかる場所は何らかの事件が起きていた場所だった。犯人の狙い、異常性を丁寧に描写される情景で描きつつ、所々の急展開が起きることで物語には緩急がつけられ、リーダビリティが高い。

 

 何より丁寧に描かれるミーラの心理は非常に共感でき、警察チームの一体感が有りながらもどこかひび割れているような描写はかなり面白い。

 

 丁寧な一作。