最後から二番目の真実

主にミステリの感想

泥棒は詩を口ずさむ -ローレンス・ブロック 田口俊樹 訳

 

 しまった、ついに正体を見抜かれた―。古本屋の主人におさまった私のもとにやってきた古書蒐集家は、私が泥棒だということを知っている様子だった。なにしろ世界に1冊しかないキプリングの詩集をなにがなんでも手に入れろというのだから。高額の報酬に釣られて安請け合いはしたものの、盗んだばかりの本を何者かに奪われ、おまけに殺人事件にまで巻き込まれるはめに。ネロ・ウルフ賞受賞の泥棒バーニイ・シリーズ第3作。 

 古本屋を営み始めたバーニィに盗みの依頼が、とある種お約束の展開で始まる本作。結局の所盗みに入って、殺人に巻き込まれる、訳ありの依頼人を探ったり、おっちょこちょいだけど抜け目のないバーニィの活躍譚はやはり面白い。

 

本作最大の読みどころは、ラストの登場人物が一人づつ古書店に入ってきて座るところだと思う。椅子の探し方、座り方にそれぞれのキャラクターが出ている。うーん面白い作品は人物一人一人がとる行動まで「らしさ」を出すんだなぁ。

 

安定の良作