最後から二番目の真実

主にミステリの感想

エジプト十字架の謎 -エラリィ・クイーン 井上勇訳

 

エジプト十字架の謎 (創元推理文庫)

エジプト十字架の謎 (創元推理文庫)

 

 

ウェスト・ヴァージニアの田舎町アロヨで発生した殺人事件は、不気味なTに満ちていた。死体発見現場はT字路。T字形の道標にはりつけにされた、首なし死体の外貌もT。アロヨへ趣いたエラリーだったが、真相は不明のまま。そして半年後、類似の奇怪な殺人事件を知らせる恩師からの電報がエラリーのもとへ届いた…。スリリングな犯人追跡劇も名高き、本格ミステリの金字塔。 

 顔のない死体、エジプト十字架、寂れた田舎町、今までの国名シリーズとは違う、いささか横溝正史的(変な言い方ですが)な舞台で起きる事件。論理性を核としながらアクションあり、因習ありと物語の要素は満載。

 

もちろん、クイーンの代表作とも言われる作品のため犯人の意外性も十分。現代の読者なら物語構造から予想が付くかもしれないが、それを含めてもなお面白い。ラストの犯人を車で追いかけるシーン、森の中の小屋を探検するシーン、一つ一つが面白いからこそ今も名作と呼ばれるのだろう。

 

素晴らしい。