読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

最後から二番目の真実

主にミステリの感想

片桐大三郎とXYZの悲劇 -倉知淳

ミステリ 本格

 

片桐大三郎とXYZの悲劇

片桐大三郎とXYZの悲劇

 

 この一冊で、エラリー・クイーンの〝X・Y・Zの悲劇〟に挑戦!

歌舞伎俳優の家に生まれたものの、若くして映画俳優に転身、
世界的な人気を博す名監督の映画や、時代劇テレビシリーズなどに主演し、
日本に知らぬものはないほどの大スターとなった片桐大三郎。
しかし古希を過ぎたころ、突然その聴力を失ってしまった――。

役者業は引退したものの、体力、気力ともに未だ充実している大三郎は、
その特殊な才能と抜群の知名度を活かし、探偵趣味に邁進する。
あとに続くのは彼の「耳」を務める新卒芸能プロ社員・野々瀬乃枝(通称、のの子)。
スターオーラをまき散らしながら捜査する大三郎の後を追う!

「ドルリー・レーン四部作」を向こうに回した、本格ミステリー四部作をこの一冊で。
殺人、誘拐、盗難、そして……。最高に楽しくてボリューム満点のシリーズ連作。

 クィーンのXYZの悲劇に挑戦、と書かれているがどちらかというとXYZの悲劇を本歌取りした作品。ハッキリ挑戦すると言うより、モチーフとして現代的に焼き直したモノという感じ。

 

シェークスピア劇の俳優だったレーンを時代劇スターの大三郎に置き直し、Xの悲劇、Yの悲劇、Zの悲劇をモチーフにした事件を配置する。そうなるとどうしても気になる「最後の悲劇」を倉知氏らしい形で外しにかかる。

 

感想を書いていてハッキリしてきたが、この作品はレーン4部作を読んでいないと楽しみどころが半減するなぁ。そういう意味でおすすめしづらい。けど軽い読み口にやや気の入っているトリック。面白い。