最後から二番目の真実

主にミステリの感想

天使は探偵 -笠井潔

 

天使は探偵: スキー探偵大鳥安寿 (光文社文庫)

天使は探偵: スキー探偵大鳥安寿 (光文社文庫)

 

 乗っていたはずのリフトから消失し、空中浮遊する男。ゲレンデに転がる切断死体。白銀の世界に起きた怪事件の背後には、カルト教団の影が…。“事件が起きたときから、その真相が分かっている”という特異能力をもつ、美人スキー・インストラクター大鳥安寿の推理が冴え、事件は奇跡のように解決する!本格ミステリ界をリードし続ける著者の新たなる境地!

 スキーヤーで天使の大鳥安寿を主役にした短編集。スキー場で事件を起こし、トリックを作るのはかなりの困難を伴う作業だが、それを無理矢理にでも成立させている作者の創意工夫にまずは敬意を表したい。一方で、そこまでしてスキー場、雪山で事件を起こす必然性に乏しいのも事実であり、スキー/スノーボード/雪山好きでないと冷めてしまうかもしれない。

 

しかし、雪山を自分で登って滑るバックカントリーがはやっている昨今、これを楽しめる人は増えているのでは?とも思う。トリックはしっかりしながらも骨太な語りなどは大いに面白い。

 

とはいえ、やっぱり、スキーに思想にと食い合わせが微妙なモノの羅列であることも事実なので、うーん薦めにくい。

 

モノは良いので是非読んで欲しいのだが……